防災や減災について突き詰めて考えていくなか、たどりついた答えが「地球と幸せな共存」です。私たちが自然災害と呼んでいるものは、地球にとってはごく自然な生命活動。自分たちの都合に合わせて、すべて人工的にコントロールすることはできないのです。
私たちは、地球からたくさんの恩恵を受けて、これまで命をつないできました。しかし経済活動を優先してきた結果、地球環境のバランスが崩れてきています。地球=自然からの恩恵に対して、私たちは感謝の気持ちをいま一度、思い出すことが大切なのではないでしょうか。
自然災害はいつ起こるかわからない、怖いから最新の技術でこれらの脅威を防いで命を守る・・これが間違いだと言うつもりはありません。しかし私たちは、先の震災で思い知ったことがあります。
「想定外」が起こるという事を。
それでは津波の被害を防ぐために、防波堤をひたすら高くしていけばよいのでしょうか。どこまで高くすれば、すべての災害の「想定内」になるのでしょうか。命をどう守るのかを考えたとき、必要なことはもっと本質的なことに目を向ける必要があるのではと思っています。
てんぷら山は福島県にあります。山にはたくさんの恵みがあって、おいしい水も空気も食べ物もそこらじゅうにあります。山菜や野菜など旬の時期に大量の採れるものの保存方法の知恵がたくさんあります。近所の方々から、色々な野菜だけでなく、お米やお餅などもたくさん頂けます。非常用の備蓄となりえるものがすでに多くあります。共助も普段の生活のなかにすでにあります。
かつての日本人には、災害大国で暮らす知恵をたくさん持っていました。それは、自然を克服する対象として捉えるのではなく、自然に対して共存していくというスタンスです。人工的に災害を防ぐには、やはり限界がある。その限界の部分をカバーするには、かつての日本人の暮らしにヒントがあると考えています。てんぷら山研究会は、むやみに恐れるのではなく、地球に自然に畏敬の念をもつ「畏れ」を軸に、防災を研究し発信をしていきます。